松原良香コラム“サッカー人”

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リトバルスキー監督

第2回 リトバルスキー監督(前アビスパ福岡)

「久しぶり。元気?どうしたの?」

アビスパ福岡のキャンプ地、宮崎。

彼らが宿泊しているホテルに突然現れた僕を見て、リトバルスキー監督は本当にビックリしていました。

彼とはもう本当に久しぶりで、選手時代にはもちろん対戦した事もありますし、彼が引退して横浜FCの監督になってからはオファーを頂いた経緯もありました。

彼に対しては、何から話せばいいかと一瞬考えるほど色々なことを聞いてみたかったのです。何故なら、彼は選手としてのキャリア(Wカップには3度出場し優勝1回、準優勝2回)はもちろん、指導者としても日本、ドイツ、オーストラリアでその経験と実績は素晴らしい人だからです。

まず最初に私が聞いたのは、なぜ日本なのか?ということ。

「日本が好きだから!本当に好き!」

選手としてJEF市原(現JEF千葉)に始まり、現在はアビスパ福岡の監督として日本へ戻ってきた。「日本は第2の故郷と思っている。もうドイツにも家はないよ。全部売った」

そこまで日本のことを愛してくれる外国人は、なかなかいないのではないかと思います。

アビスパ福岡に関しては?

「福岡の基盤を作りたい。例えば鹿島アントラーズは何もなかったところから始めて、現在はすごく成長している。福岡にもそれが出来ると思うし、J2だがやれると思った。」

私が感じた彼の第一印象は 「厳格」ということ。

「ブラジル人はドイツ人よりうまいけど、ドイツ人は大きな大会の時には自分の力を出し切る事が出来る。それがドイツの強さ」

本当に世界のサッカー、日本のサッカー(J1、J2)、レフリー、サッカー協会、日本の文化すべてにおいて良く研究していますし、勉強されています。なにより、日本語がとても上手です。私と話をしている時も全部日本語ですからね。

やっぱり海外に行って成功するのならその国の文化になじみ、そこへ自分から入っていかなければ難しいものであると、リトバルスキー監督と話をして感じました。

「ただし、すぐにではなく時間をかけてやらなければ難しい」

要するにJ1とJ2の間を行ったり来たりするのではなく、基盤をしっかりと作ってしっかりとした芯のあるチームづくりをする。

「引き受ける前に選手たちを見たときにこれはいけると思った。川島の事は前から知っていたがとてもいい選手だと思っていた」

次の日、アビスパの試合を観戦しました。相手は同じJ2のVERDY。このゲームを見ていて、以前と変わったと感じた点が3つありました。

(1) 蹴らなくなった。

例えば左サイドで攻撃を組み立てていても、崩す事ができないと判断したときは、各選手がシステマティックに動きながら逆サイドへとしっかりと繋いでいくことができるようになっていました。

(2) チームの雰囲気が変わった。

選手だけではなく、スタッフ、フロントを含めリトバルスキー監督の色が出つつある。色々な要素はあるでしょうが、彼の持っているカリスマ性や、今までチャンスをもらっていなかった選手、若い選手も積極的に使い、平等にチャンスを与えていたと思う。外国人は出場していなかったので、ここに彼らが加わったら面白いだろうなと印象を受けた試合でした。

(3) 自信を持ってプレイしていた。

キャンプ中だったので、選手がアピールする意味でもこのように見て取れたのかもしれませんが、決勝ゴールを決めたのは高校生でした。とても高校生には見えませんでしたし、この辺からもリトバルスキー監督効果が感じられました。

そして彼と話をしていて一番感じるところが「世界」です。

「Jリーグ以外の世界各国で色々なオファー、トルコやチェコ・・・で受けた。」

もちろん彼のレベルになると世界のどこへ行ってもサッカーをやっている人は知っているでしょうし、世界中からオファーがあるんだよなと「世界」を実感させられます。日本人が感じる事のできない世界を彼は知っているのです。

「カズをシドニーFCへ呼ぶ時には、色々な事を言う人やいろんな障害があったけど、僕は絶対出来ると思っていた」

皆さんご存知のように、カズさんは素晴らしいプレイをしましたし、彼がシドニーFCに在籍した事で皆が幸せになったと思う。

「僕はギャンブルはしない。現実をしっかり見ている!」

この言葉が最も印象に残りました。何故ならば彼の今までのキャリア、言動、行動を見たとき、すべてはこの言葉に集約されているのではないかと思ったからです。今後のリトバルスキー監督、アビスパ福岡には注目していきたいと思います。

2007年3月


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