松原良香コラム“サッカー人”
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松原良香コラム“サッカー人”

特別編 No.3 チャンピオンズリーグ Vol.3

特別編 No.3 チャンピオンズリーグ Vol.3

さて、チャンピオンズリーグ決勝の続きです。

スタジアムの入り口には、「チケット、買います」という札を下げた人たちが沢山いました。イギリスからわざわざ来たと思われますが、中には「五千ユーロ」と書かれたものもありました。日本円に換算すれば八十万円以上。どうしてもこの特別な試合を見たいという執念を感じました。

試合前には、VIP用のレストランがあり、そこでは世界各国様々な言葉が飛び交っていました。僕が分かっただけでも、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語…。

両チームには多くの国の選手が所属しています。本当にインターナショナルな試合であるということを改めて実感したものです。

僕の座っていたのは関係者席でしたが、ペナルティエリアが目の前で、試合が始まると、リバプールの最終ラインが良く見えました。左斜め前にはフース・ヒディングが座っていました。フランス代表監督だったエメ・ジャケの顔も見えました。

とにかく両チームの試合運びはコンパクト。リバプールのセンターバックから、ミランのマルディーニまで数十メートル。その中に身体の大きな選手たちが二十人もひしめき合っているのです。これが世界の最高峰のサッカーなのだと、思いました。

通常、ボールを持つと、敵の位置、味方の位置を確認し、ゴールからの距離、シュートを選択できるのか、あるいはどこにスペースがあるか、すべてを頭に入れてから次のプレーを選択します。

あのレベルでは、一つの判断の遅れ、ミスが致命的になるのです。

カカ、あるいはリバプールのシャビ・アロンソなどは見事な足技を見せていました。スペースがあれだけない中で、そうしたプレーが出来る、彼らの技術の高さ、判断の速さに僕は舌を巻きました。

また、試合が始まると、大歓声で監督の指示などは聞こえません。選手たちが、自分たちのやるべきことを理解し、自主性を持って判断していることが良く分かりました。

試合中、僕が注目していたのは、ACミランのフォワード、フィリッポ・インザーギです。

彼は、あのレベルの中では、足技が傑出しているわけでも、足が飛び抜けて速いわけでもありません。しかし、それでも彼は点を取ります。
彼を見ていると、その理由が良くわかります。
彼は常にゴールのことを考えているのです。

ボールを貰えば、シュートを打てる場所にしか動きません。大げさに言えば、ペナルティエリアの幅しか彼はポジションをとりません。そして、ディフェンスが嫌がること、二人のディフェンダーの間を狙い、オフサイドラインぎりぎりのところで常に駆け引きを続けているのです。だからこそワンチャンスを決める事ができるのです。

もちろん、チーム戦術として、彼がサイドに開くと、カカやセードルフといった中盤の選手が上がってくるスペースを消してしまうということもあるでしょう。

得点に繋がった、フリーキックの時のポジショニングについて、フリーキックを蹴るピルロがどのようなキックを選択したとしても、もっとも得点を取る可能性が高い場所で待っていました。

常にゴールに対する執念と判断のスピード、これが日本人フォワードとの差だと思ったのです。

決勝はご存じのようにミランが勝ちました。これは、順当な結果だったでしょう。

試合終了の笛が鳴った時、圧倒的に多かったリバプールのサポーターは暴れるかと思ったら、拍手が起こりました。そこにスポーツマンシップを感じました。

こういった素晴らしい試合で感じた事を子供達に伝え、いつの日か、こうした舞台に立つ選手を送り出したいと、強く思ったのです。

2007年6月


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