松原良香コラム mano a mano
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松原良香コラム mano a mano

松原良香コラム mano a mano

第2回 団野村さんA

団野村さん
今回はこれまでのエージェントの仕事や日本と外国の違いについてお話しして頂きました。

―たくさんの選手の代理人を担当されてきましたが、もちろん最初から知り合いだったわけではないですよね。担当するきっかけはなんだったんですか。

もちろん最初は営業にいきます。「仲良く」というと少し違うかもしれませんが、仕事上で手助けできることがあればと。やはり選手はプレーすることに集中して、見えない部分というのもあり、そういったところのサポートをしますとは伝えています。 これまで運良く、マック鈴木さんや野茂英雄さん、伊良部秀輝さん。それからドミニカ人でいえば広島でプレーしたチェコさんやソリアーノ選手の担当をしました。もちろん少し揉めたこともありました。自分だけでは何も出来ませんので、選手がいてくれたことによって私もいろいろ学ぶことが出来ましたし、私も世に出させてもらいましたから恩義も感じています。 例えばメジャーでのプレーを望む野茂さんと一緒に戦っていけた。 選手もそこで何かを必要としてくれたというのがありましたので、そこで上手くやってこられたのかなと思います。なんでも『タイミング』というのは大切ですよね。

―野球を見ていると、サッカーに比べてルールで縛りがありますよね。そういったところは選手のエージェントをして、メジャーリーグに連れて行くのに弊害はありましたよね。

はい、たくさんありましたね。もう毎日マスコミは絡みましたね。マスコミは球団の味方ですよ。だから絶対に書かないんです。書くと出入り禁止になってしまうので。球団の指示で「あいつを叩け」となれば、マスコミ全社で叩きますからね。

―でも今は逆になってきたりもしましたよね。メジャーでダルビッシュ選手も活躍していますし。私のような野球に関わりのない一般的な視点から見ると、海外で活躍する選手にはパワーをもらえます。

そうですね。ダルビッシュ選手だけではなくて、サッカーでも若い選手がどんどん海外で挑戦しているし、ゴルフもそうですよね。日本にとっては外からの良い刺激になるんですよね。もちろん日本国内にもプロスポーツの環境はあります。その中から本当に一部の選ばれた人が海外に行って活躍するのは、日本国民にとってのプライドでもあるし、それを応援したくなる。それって凄くいいことだと思うんですよね。 だけど今まで野球の世界では、選手に圧力をかけて海外に行かせないようにしていたわけです。自分たちの興行のためだけに。それが崩れてきて「外に出たい」という風になってくると思います。そうなった時に初めて『国際的に野球をしなければいけない』という危機感を感じてくれば、野球界も良くなると感じています。

―団さんが担当しているのは日本人選手だけではないですよね。先ほども出ましたが、ドミニカにもかなり行かれているんですか。

最近はあまり行っていませんが、以前は向こうでずっと仕事をしていました。

―向こうでの会話は英語ですか。それともスペイン語になるんですか。

スペイン語ですね。向こうには話せる社員がいましたので、彼と一緒にまわっていました。

―通訳を介しての会話、コミュニケーションはどうですか。

もちろんスペイン語も少し勉強しましたし、一週間くらい生活していると、単語ぐらいはわかってくるんですよ。だから単語並べて話してると意外と通じたり。まぁ難しい話になると通訳は必要になりますけどね。最後の方は言葉じゃなくてフィーリングなんかも大事でしたね。

―以前ご一緒させていただいた時に、ドミニカのことをお聞きしました。一人の人間にものすごい数の人がついてくるんですよね。

村が出てきますからね。

―もともとドミニカってそういった国なんですか。

ドミニカに限らず、貧しい国というのはそうだと思うんです。例えば息子が活躍したら、親だけではなく、親戚もみんな集まってきますよね。

―エージェントをやってると、そういうコミュニケーションスキルって大事だと思うんですよ。その際はどういったことに気を付けていきますか。ドミニカだって決して大きい国ではないですが、有望な選手はたくさんいると思います。

まずは正しい情報をキャッチして、自分の目で確認をします。それから僕の中では『ウソをつかない』『言ったことは必ず守る』『守れないことは言わない』この3つは絶対です。これは今までもずっと守ってきましたし、これからも変わらないです。例えば「1億円の契約金をもらえるよ」なんて言って、実際もらえなかったら信用を失うじゃないですか。そうやって膨大な額の契約金の話をしたり、他の代理人の悪口も言ったりして選手の取り合いをすることが今でもありますし、我々の業界はそういったのが多いんですよ。でも、そういうことをやっているとこの業界で長く仕事を続けるのは難しいですよね。常に本当のことを言って、言ったことは必ず守る。守れないことは言わない。これをモットーに仕事をしています。もちろん、それでダメになってしまった仕事もあります。でもそれは仕方がないですね。相手の人間性もありますので、こちらが誠意を見せても合わないこともあります。皆が皆契約してくれるわけではないんですよね。

―僕は今度ポルトガルに行くんですね。日本のサッカー界や日本の子どもたちに、『世界のサッカー』という刺激を与えたいんですね。それで今年の夏に木更津にある暁星国際学園でサッカー大会をやるんです。そこには木更津だけでなく周辺地域はもちろん、千葉県内や県外から1,500人の子どもが集まります。そこに元ユベントスの選手を呼ぶんです。そこで優秀選手を選んで、ヨーロッパへサッカー研修に行かせるんです。

元々は学園の活性化が目的なんですね。でもどうすれば活性化するかと考えたら、まずは人を集めなくてはいけないので、そこからアプローチをかけているんですね。ただ、来てくれる外国人は地位や名誉、お金もある一流選手だった人です。そんな人が今回はノーギャランティでやってくれる。渡航費などは負担しますけどね。そこで感じるのは「人は『心』で動いてくれるんだな」ということです。野球界ってそういうことはあるんですか。 個人差はあると思います。大半のOBは「次の世代に教えていきたい」という気持ちをもっています。だけど元プロ選手が高校生や大学生に教えることが出来ないんです。教えるとしたら中学生以下になってしまうんですね。それだと高等な技術は難しくて教えられない。野球が好きな小中学生というのは純粋に『野球がしたい』というのがあるんですね。大人の難しい話を聞くのではなくて、たくさんボールを打つ、投げる、捕るっていうのをたくさんして、「上手だね」って褒められたい。高校や大学生くらいになると技術的なことに興味を持ち始めるんですね。でもそこにプロが入っていくことは出来ない。教えたいけど教えられないというジレンマがあるんです。

―野球は指導者ライセンスがないですよね。

ないですね。

―それはアメリカもそうなんですか。

アメリカもですね。昔からそういう伝統でこれまできていますね。

―ということは、選手が現役を引退して、翌シーズンに監督をするということも可能なんですか。

可能ですね。昔は野球経験がなかった人が監督になることが稀にあったかもしれませんが、それは今はないですね。今の監督はプロの選手として経験がある人です。

―現場のスタッフについてですが、サッカーの場合はまず監督が決まって、ヘッドコーチやトレーナーなどを呼んだりしますが、野球はどうですか。

球団によりますね。球団によって監督に全てを任せるところもありますし、一部を任せるところもあります。例えば昨年まで中日ドラゴンズは落合さんが監督を務めていましたが、落合さんが辞めるとなったらコーチ陣も大きく変わりました。ところが梨田監督が辞めた北海道日本ハムファイターズは栗山監督になってもスタッフは変わらなかった。そうやって球団によって違いがあるんですね。監督によっては「この人だけは連れてきてほしい」というのもあります。

―それはある程度監督に「これくらいの予算でやってほしい」というのがあるんですか。

いや、球団ですね。

―サッカーではGM(ゼネラルマネージャー)を置くクラブが多いですが、そういった部分はいかがですか。

これも日本は球団によってですね。アメリカはほぼGMを置いて、統括しています。

―サッカーの場合は国によって違いはありますが、例えばイングランドは監督が全てを握っています。

なるほど。アメリカには絶対にないですね。昔の日本の野球界はそういった形でした。でもそれだと監督の好き嫌いによって変わってきますよね。そうすると偏りが出てしまうので、アメリカではフロントがチームの構成をして、監督に託しています。今の日本はそういった形になっていますけどね。

―団さんはたくさんの国の方とお仕事をされています。日本人には日本人の特色というのがあると思います。やはり国によってそれぞれ気を遣ったりしますか。

しますよ。国によって違いはありますが、日本式の気の遣い方はどこでも通用します。だから日本のビジネスのやり方というのは世界のどこでも大丈夫ですね。

―今おっしゃられた『日本式』というのはどんなところでしょうか。

そうですね。例えばアメリカはどんどん前へ進む姿勢がありますが、日本はあまりアグレッシブにいかないところでアグレッシブにいったり、控え目に見せながら積極的だったり。アメリカの姿勢って日本では受け入れられないこともあるじゃないですか。でも控え目にしながら積極的にいくのはアメリカでもラテン系の国でも受け入れられますね。日本式というのは好まれやすいですし、人間関係も作りやすいんですよ。外国人は上から目線になりがちなところがありますが、日本式はお互いに尊重・尊敬しあいますからね。もちろんアメリカ人にはずっと積極的にいくこともあります。

―団さんはその使い分けが出来るからいいですよね。英語も話せますし。

やはり上から目線でガンガンくるのは日本人でもアメリカ人でもあまり気分のいいことではないですよね。でも一緒に仕事をしていこうと思えば、条件が合う合わないというのもありますが、馬が合わなくても喧嘩別れする必要はないんです。こういった業界はきっとまた一緒に仕事をすることがありますからね。だから、そこはお互いに敬意をもってやるべきだと思います。

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