松原良香コラム mano a mano
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松原良香コラム mano a mano

松原良香コラム mano a mano

第4回 団野村さんB

団野村さん
団野村さんとの対談の最終回は、契約や組織についてのお話です。

松原さんは現役時代にエージェントやマネージャーはいたんですか。

―海外でプレーしていたときはエージェントがいましたね。日本でプレーしているときはいなかったです。

では、契約交渉とかも自分でやっていたんですか。

―そうですね。18歳でウルグアイから日本に帰ってきたときにジュビロの事務所で大人が目の前に並んでいて、驚きましたね。契約交渉では納得のいかないこともありました。1年目はチーム内での得点数は2番目だったんですが、2年目は試合にもなかなか出場できず、得点も少なかったんです。でも成績の良くなかった2年目を終えたときに、年俸がアップしたんです。あれはよくわからなかったですね。

サッカーの場合の契約交渉というのはどういった形なんでしょうか。

―サッカーの場合は2月1日から翌年の1月31日までの1年契約が基本なんです。ただ、契約が切れる3ヶ月前の11月30日までに次のシーズンのことを紙で掲示されるんです。僕のときはその紙がロッカーの中に入れられていたんですね。翌シーズンの契約をする選手には紙に年俸などが書かれていたんです。

契約しない選手には?

―何も書かれていないんです(笑)。だからドキドキするんです。

それも嫌ですね(笑)。

―しかもその頃から天皇杯があったり、1部と2部の入れ替え戦があったので、選手としてはたまったもんじゃないですね。契約してもらえないのを分かっていながら、チームのために戦わなければいけないですからね。

翌シーズンの年俸が書かれていた選手は、その金額で契約しないといけないんですか。

―いえ、そこからフロントの人と交渉をするんです。

選手同士で情報交換などはしますか。

―少し話をしますが、自分の金額はあまり言わなかったですね。

それは今でも?

―今は昔に比べてエージェントが間に入ってくれるようになりましたから、選手同士はないかもしれません。クラブはエージェントが入ってくることを以前は嫌っていました。クロアチアでプレーしたときなんかは「なんであんなの連れてきたんだ」と言われたこともありました。

現在の日本国内のリーグは年俸は公表してるんですか。それとも推定ですか。

―推定ですね。

では選手同士も推定でしか情報はわからないんですね。それって良いと思いますか。

―良くないですね。その情報は出したほうが良いと思います。

私もそう思っています。

―サッカーの場合は基本給と出場給、それからプレミアというのに分かれます。例えば2,000万という年俸のうち1,400万が基本給で、600万が出場給ということもあるんですね。そこに勝利すると20万だったり。

いわゆるインセンティブですね。

―今は昔とは少し変わってるみたいです。例えば2,000万という年俸のうち、基本給は1,000万で、あとは勝利給をどれだけ増やすかという感じになってきています。

では全く試合に出なかったら1,000万になってしまうんですね。

―そうですね。

日本のサッカー界は『選手会』はありますか。

―あります。

強いですか。

―そうですね。強いかもしれません。

選手会側は経営者側とどんな交渉をするんですか。

―移籍金のことや、選手の保有権についてですね。でも世界を見渡すと選手だけでなく、引退した選手が集まったOB会も一緒になって協力していくんです。今はそういった形が出来るように僕もOB会の副会長として働きかけています。でもなかなか難しいですね。みんな現役を退いたら仕事に就いて忙しいですし、僕なんかもいろんな思いをもってやっているんですけど、なかなか合わないんです。でも皆が現役を辞めて仕事が出来るわけではないですから、そういった部分を少しずつ改善していきたいと思っていますし、サッカー協会の方とも直接話が出来る立場にあるので、そこは進めていきたいですね。

Jリーガーの年俸って安いですか。

―安いです。

これから高くなりそうですか。

―難しいですね。イングランドやスペインをはじめ、ヨーロッパの盛んな国は放映権の収入がかなりあります。しかし、日本はまだそこまで多くはありません。東南アジアの方にも放映権を売ろうという思いはあります。

それは選手会としても働きかけていますか。

―いいえ、そこは動いてないですね。

なるほど。選手の側に立って考えてみるんですけど、現在『エネルギー』が世界で莫大な利益をあげているじゃないですか。それに連動して、世界の一流プレーヤーの年俸は何十億とも言われています。実は1994年にメジャーリーグでストライキがありました。選手会側がストライキを起こしたことで、経営者側も「このままではいけない」と結束したんです。それまで選手側に圧力をかけてきていたんですが、ストライキという形で選手が経営者を突き上げたんです。そこで経営者側は新たな収入源を探しました。テレビだけでなく、ラジオやインターネットの放映だけでなく、新球場の設立やネーミングライツといった様々なイノベーションで収入源を増やしてきました。それまでバラバラだった30球団が一つになって、あがってきたお金を分担するようになりました。さらには収益分配制度というものができ、儲かっている球団は少しペナルティを払って、弱い球団にお金を与えるというシステムが出来てきたんです。でも日本のプロ野球はそれが出来ないんですね。

―それはどうしてですか。

選手会が弱いからなんです。経営者側が「放映権がないから払うお金がない」と言い、選手側はそれで黙って受け入れてしまうんですね。でも私としては選手に立ち上がって戦ってもらわないと経営者の「お金がない」という言葉で済まされて、選手の年俸は上がっていかないんです。業界そのものが頑張ろうとしないから、なかなか野球が発展しないんですよ。そのあたりサッカーはどうですか。

―確かに日本のサッカーもそういったところは同じかもしれませんね。現在JリーグはJ1とJ2合わせて40チームあります。そこからさらにJ3というカテゴリーを増やして、チーム数も大幅に増やす動きもあったんですね。でも実際はJ2に属しているクラブにも厳しい経営を強いられているところはあります。特にアクセスが不便ですと、観客収入が増加しませんし、Jリーグからの分配金も非常に少ないです。ギリギリのところでやっているクラブもあるわけですから、例えばJ2からJ3に降格してスポンサー離れが進み、さらに経営が困難になるという可能性も出てくるんですよね。

それは大変ですね。本当に日本の『スポーツクラブ経営』は問題だと思います。

―クラブによっては成績、実績ではなく好き嫌いで評価をしてしまうところもありますからね。

野球の場合はそういったことに嫌気が差したり、『日本の野球に飽きてしまう』選手も出てきています。
選手会もあまり動けていないので、悪循環になってしまうんですよね。
プロ野球は2011年のシーズンから統一球、『飛ばないボール』とも言われていますが、公式戦で使用するボールを統一させたんです。
それまでは決められた範囲の中で自由に選ぶことが出来ていましたので、球場によってはたくさんホームランが出たり、打撃戦になることが多かったんです。
反面、ピッチャーにとっては苦労はありました。
しかし、統一球になってからはボールが飛びにくくなりましたので、ピッチャーにとっては助かっているんですね。
それなのに選手会側から「統一球を考えてほしい」という発言が出ているんです。
おそらくこれは球団側から「選手会から発言してほしい」という話があったんです。
球団としては試合でたくさんホームランが出て、お客さんが喜んでくれることが嬉しいですからね。
そこで選手会側が経営者側の言いなりになってしまうのが少し残念ですね。

今回対談させてもらった団さんとは、プライベートでもお世話になっているんだけどいつも色々と勉強させてもらっている。
特に今回の対談内容でもあった、団さんが思う『生きていくうえでのサバイバル』『ハングリー精神』にはとても共感したし、初めて話を聞いたときはさすが団さんだなという思いだった。
野球界もサッカー界もまだ色々な問題を抱えてたりするけど団さんも僕もお互いに共通するのは野球界やサッカー界をより良いものにしたいという事だから、頑張っていきたい。

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