松原良香コラム mano a mano
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松原良香コラム mano a mano

松原良香コラム mano a mano

第5回 北野克也さんA

北野克也さん
暁星国際学園の後援会副会長を務める北野さんとの対談2回目では、世界で活躍するビジネス像についてうかがいました。
これはスポーツにも置き換えられるな:ということがたくさんあります!

松原 日本式の年功序列や横並び主義が、いまの時代においてはマイナスに作用している面がある、というところで前回は終わりました。

北野 組織のリーダーという視点で言うと、年功序列的の組織から生まれるリーダーは、一般的に責任意識が希薄なのかな、という気がします。事なかれ主義、というか。それまでと違うことにトライして、もし失敗したら自分のキャリアに傷がつくのでリスクを取らない。でも、実力主義の組織を引っ張るリーダーは、責任をとりますよね。明確な思いを持って組織を牽引し、部下にもハッキリと主張する。

松原 それが実力主義、成果主義ということですよね。でも、日本は……。

北野 まだまだ、実力主義ではないところが多いですね。

松原 僕もそう思います。Jリーガーもそのあたりを意識するべきじゃないか、と感じます。たとえば、プロで10年やることは凄い。誇りを持っていい。でも、プロとしての実績がそのままセカンドキャリアに生かせるわけでもない。そのあたりをそれぞれの選手が理解していけば、日本サッカーのレベルアップのスピードが上がっていく、と僕は思うんです。ビジネスから学ぶべきところはたくさんあるんですよ。

北野 僕は大学のときに体育会でバスケットボールをやっていたのですが、いま振り返ると後悔ばかりです。勝つための練習や研究がまったく足りない。成功するためのビジョンを持てず、既存の取り組みをなぞるだけでした。もう一度あの時代に戻れるなら、違うやり方をするのに、と感じます。

松原 北野さんが仕事をしていくうえで、原動力となっているものは何ですか?

北野 市場に合った新しいサービスを生み出し、それがお客さんに喜んでもらえた瞬間に触れることですね。新しいものを市場にもたらすことが、アドレナリンになるというか。安定している市場に対しても、次は何をする、今度は何を仕掛ける、と考えます。日本の良質なサービスをアジアへ持ち出していったりすることが、アドレナリンになっているのかなあ。

松原 もっと、もっと、という意欲は尽きないんですね。

北野 もうひとつ、組織のマネジメントは意識しています。色々なスタイルがあると思いますが、自分が手をかけなくてもまわっていくのが一番美しいと考えているので、そういう意味で部下をいかに育てるか。適正な役割を与え、モチベーションを刺激すれば、人間ってどこまでも成長するんですよね。リーダーがあれこれと指示をしなくても力を発揮する組織に持っていくことが、非常に大切だと考えます。

松原 世界を舞台に仕事をしているわけですが、活躍をしている人たちに共通点はありますか?

北野 あります。「自分はこうありたい」という絶対的な価値観を抱いていて、周りに引きずられずにブレない人が多い。最初に思い描いたものが必ずしも正解ではなく、その時々で軌道修正をしつつ、通過点なりゴールを明確に定めるのは必要なことでしょう。

松原 スポーツにも共通する論理ですね。

北野 アメリカの大学に在籍していたことがあるんですが、学内の友人と話をしていて「すごいな」と感じたことがあるんです。「将来は何をやりたいの?」と聞くと、誰もが答えを持っている。「お前が医者に?」なんていう人もいたけれど(苦笑)、疑うことなく口にするんですよね。同じ質問を日本の大学生に向けたら、何人が答えられるか?

松原 おそらく、少ないでしょうね。将来の夢や目標はあっても、そのための道筋まで考えている人は少ない気がします。

北野 それは社会の影響も受けていると思うんです。海外の場合、目標へ向かっていく行動、また失敗が評価される文化があるけれど、日本は失敗すると評価されにくい。さきほどの事なかれ主義ではないけれど、チャレンジしないほうがいいんじゃないか、という意識が芽生えてしまいますよね。

松原 北野さんが考えるプロフェッショナルとは?

北野 難しい質問ですね……。組織のマネジメントのプロとして考えると、確固たるリーダーシップと責任意識でしょうか。ビジョンを描き、ブレずに突き進む。それに向かうように組織を引っ張るのがマネジメント。失敗したら責任をとる覚悟で実行するのがプロでは。

松原 自己責任はキーワードですね。

北野 リーダーではなく組織の一員でも、与えられた役割をしっかり理解して果たすべく、責任を持って働くべきでしょう。タスクを果たせなければ責任を取らなければならない、給与が下がっても仕方がない、というぐらいの意識で仕事に取り組むことがプロフェッショナルなのかな。そういう意識を部下が持っていれば、安心して権限を委譲できますしね。ビジネスもスポーツも、組織が成功を収めるためにそれぞれに役割があり、役割の重要性を理解して責任を果たす。これはおそらく、ビジネスでもスポーツでも変わらないでしょう。

松原 ホントにそうだと思いますね。最後にもうひとつだけ聞かせて下さい。北野さんが仕事を進めていくうえで、若い人たちにアドバイスをするとしたら何ですか?

北野 以前から習慣付けているのは、勉強グセです。新しいことを学ばないと、新しいことはできない。忙しくなるほど時間は限られますが、そのなかでどれだけ重要な情報を取得するのか。例えば、本を読んで学ぶのは重要で、そこで力を発揮するのも勉強グセです。

松原 習慣を付けるということは、スポーツにおいても大切な要素です。

北野 そうですよね。学生のときに勉強した内容がどれだけ役立つのかは「?」ですが、勉強したクセは役立ちます。これは他者との差が生まれる要素です。同じ時間で10冊の本を読む人と1冊しか読めない人では、知識レベルがまったく違いますし、必然的に可能性が変わってきます。勉強癖は大切ですよ。

松原 それは、僕自身もいまになって気づくことですね。学生時代を振り返ると、勉強グセがつくはずがなかった(苦笑)。もったいなかったなあ、と思います。

北野 もうひとつは、失敗から学ぶことです。やってみて分かることってすごくあるので、とにかく思ったことをやってみる。失敗を恐れずにトライすれば、成功する確率が上がってくるので。それから、英語は必須ですね。綺麗に話せなくてもいい、通じればいいんです。英語は格好つける道具ではなく、コミュニケーションをとる手段なので、そこはしっかり学んだほうがいい。あともうひとつは……すいません、たくさんあって(苦笑)。

松原 いえいえ、とても参考になります!

北野 目標をしっかり持つこと。目標を定めて突き進んでいけば、必要な情報とか人との出会いが生まれ、目標が磨かれていく。それによって、さきほども話した軌道修正がスムーズになっていくと思うんです。自分なりのビジョンを定めるのが重要だと思いますね。

いかがでしょうか。いまの自分に置き換えられるばかりだ、という人が少なくないのでは?
僕自身、セカンドキャリアを構築していくなかで「自己責任」を大切にキーワードにしてきました。「目標に向かっていくブレない姿勢」も同様です。
日本サッカーの発展に自分はどれほど貢献できているのかと言えば、まだまだ本当に小さなことしかできていません。
でも、僕にもできること、僕だからこそできることはあるはずで、そうしたものを必死になって探して、真摯に取り組むことで、自分の周りからサッカー界に良い影響を与えられたらな、と思っています。
次回も興味深いゲストをお招きします。ご期待下さい!

スポーツライター 戸塚啓


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