松原良香コラム mano a mano
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松原良香コラム mano a mano

松原良香コラム mano a mano

第8回 川合レオさん
NPO法人 ラグビーパークジャパン代表取締役

川合レオさん
今回はラグビー界からゲストをお招きしました。元日本代表の川合レオさんです。
かつて代表選手としてプレーし、現在は競技の普及に携わる川合さんと僕には、少なからず接点があります。知人を介して実現した初めての対談は、とても興味深いものになりました。

松原 今日はよろしくお願いします。

川合 こちらこそ、よろしくお願いいたします。

松原 川合さんはラグビーパークジャパンというNPO法人の代表理事であり、ラグビー日本代表のコーチをなさっているとお聞きしました。日本代表では、トップチームの下のカテゴリーを担当しているということでよろしいでしょうか?

川合 そうです。日本代表のセカンドレベルであるジュニアジャパンというチームのバックスを担当するコーチです。メインの活動はそのふたつで、あとはテレビの解説をやらせてもらうこともあります。それから、これは仕事ではないのですが、JOCの女性スポーツ部会の委員をやらせていただいています。

松原 現役時代もバックスだったわけですか?

川合 そうです。ラグビーはスクラムを組んだりする体格の大きな選手がやるフォワードと、スピードがあって走りきる選手に向いたバックスというポジションの分け方をします。サッカーと同じように瞬時にアタックとディフェンスが切り替わりますので、どちらか一方の役割に専念するわけではありませんが。

松原 現役引退からずいぶん経っていると思いますが、いまも身体は鍛えているのですか? すごく引き締まっている印象があります。

川合 現役ほどではないですが、あまり醜くならない程度には鍛えています(苦笑)。子どもたちに教えているなかでは、自分もゲームに入るので動けなければいけません。ジュニアジャパンのコーチをやるにしても、実践して見せるところがありますので。

松原 ラグビーを知るためにも改めてお聞きしたいのですが、競技の素晴らしさはどこにありますか?

川合 大きく言うと、2つあると思っています。ひとつは、僕みたいに身体が大きい人間からすると、決められたルールのなかで自分の身体能力をすべて生かせるのが魅力です。テクニックも必要ですが、身体の大きさ、筋力の強さをすべて生かせるんです。サッカーだと、体格が大きくてもテクニックが伴っていないと、もしかする活躍できない部分があるかもしれないですが……。

松原 そうですね、あるかもしれません。

川合 ラグビーはテクニックが少し荒くても、体格が大きければそれなりに活躍できたりします。僕自身、テクニックのある選手ではなかったですが、身体能力で勝負していました。サッカーで、身体能力の高いけれど、テクニックがなくて活躍できない選手は、ラグビーをやったら、ひと花咲かせられるかもしれません。

松原 なるほど。

川合 ラグビーは、ボールゲームとして、キックもあり、パスもあり、ランもあり、さらに、相手にぶつかってもいい。ルールのある総合格闘技なので、そういう意味で身体能力をフルに活かせることは魅力的だと思います。二つ目は、あれだけ激しくプレーするなかで、終わったあとでお互いの健闘を讃え合うのも魅力です。

松原 ノーサイドの精神ですね。

川合 一般の人からはルールがないように見えるかもしれませんが、だからこそ相手を思いやらないといけない。一歩間違えると、命に関わるようなスポーツですから。激しいことをやりつつも、ギリギリのところで人間性を保っている部分はあるのです。

松原 ははあ。

川合 子どもたちに教えるときも、思い切りプレーしていいけれど、相手への敬意を忘れちゃいけないと話します。人間味のある部分をきちんと残す、とでも言いますか。そこを意識しないと、成り立たないスポーツですから。いかなるときも他者に敬意をはらって接するということついては、他のスポーツより色濃く伝えられると感じています。それも、ラグビーの魅力かもしれません。

松原 確かにラグビーのコンタクトプレーでは、やろうと思えば色々なことができそうですね。

川合 密集でグチャグチャになっている局面は、レフェリーもすべてを見ることができません。松原さんが言うように、やろうと思えば何でもやれちゃうのです。でも、それはやっぱり、やらないのです。やっちゃったらゲームとして、スポーツとして、成り立たないですから。そういう自制心を持ちつつ、激しくプレーをする。子どもたちの指導においても、相手への敬意はきちんと伝えるように心がけています。

松原 それはホントに重要なことですよね。自分たちだけでは、ゲームは成り立ちませんし。

川合 とくにラグビーはそうです。1対1の格闘技と違って、レフェリーの目の届かないところがたくさんある。選手自身がスポーツを成り立たせようと思わないと、そこらじゅうでバタバタと選手が倒れてしまいます(苦笑)。

松原 サッカーでも、相手の鼻を折ろうと思えばできないことはない。たぶん、できます。でも、もちろん相手を意図的に傷つけようとはしません。ラグビーはサッカーよりコンタクトが多いですから、リスペクトする気持ちが絶対に必要なんでしょうね。

川合 ホントにそうだと思います。指導者になって子どもたちを教えているときに、そこを、まずは、教えないといけなと考えています。

松原 川合さんはとても優しい目をしていますね。でも、現役当時は勝負に生きる男の目をしていたのでは? 相当に鋭い眼光だったのではありませんか?

川合 どうですかねえ(苦笑)。ラグビー選手はオンとオフをかなりきっちり切り替えないといけない、と思います。練習や試合の激しさを私生活に持ち込んじゃうと、人間凶器みたいになってしまいます。非日常的なことをグラウンドで思い切りやったぶん、反動が大きいように感じますね。激しさが持ち味のプレーヤーほど、プライベートでは優しいヤツが多いです。現役時代の僕も、そういうタイプだったかもしれません。激しいプレーが評価されて、日本代表にもなったので。ラガーマンとしては、いつも怖い顔をしていたかな。

松原 ラグビーの場合、引退後のセカンドキャリアはどのようになっていますか?

川合 八割ぐらいが企業に戻ります。私はいま38歳ですが、我々ぐらいの年齢の選手は、サラリーマンとして企業に残るパターンが多いです。ラグビーはプロ化が遅かったですから。

松原 企業に戻れるのは魅力的ですけどね。

川合 いま25歳から35歳ぐらいの選手は、プロ選手も増えています。彼らの世代が引退したあとにどうするのかは、まだちょっと分からないですね。伝道師としてラグビーを伝えていくのか、もう一度企業に再就職するのか、指導者として生計を立てていくのか。プロとしてプレーした選手がセカンドキャリアをどう切り開くのかは……。

松原 今後の課題ですか?

川合 そう、課題ですね。そういう意味で、僕は珍しいタイプです。

松原 珍しいというのはどういうことか? 現役引退から現在へ至る川合さんの足跡は、第二回でお聞きします。

(以下次回へ続く)

スポーツライター 戸塚啓


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